親指をあつめる_20170531

会期:2017.6.5-16
会場:東京都町田市 玉川大学3号館102展示室TAGギャラリー


玉川大学「TAG ギャラリー」での個展。玉川大学TAG(Tamagawa Art Gallery Project)の企画であると同時に、授業「2017 年度US 地域創生プロジェクトC/D《ミュージアムプロジェクト》」の一環で作品展示と特別講義・ワークショップを行った。2014 年より継続しているワークショップ「親指をあつめる」の2017年5 月31 日(特別授業時)まで撮影した映像等をまとめて発表した。本展示は参加者が自撮り棒を持って自身の送信メールを読み上げる映像、参加者がスケッチブックに書いたカンペ、本作についての佐藤+原口のドローイング、佐藤+原口のLINE 履歴で構成している。以下は、会場内に展示したステートメント。


「親指をあつめる_20170531」について
手のひらで光る通信機器。21 世紀になって普及したスマートフォンは、親指一つで、メッセージの作成・送信・受信をすることができます。また、写真・動画の撮影や共有も可能になりました。それまでにもカメラ付きの携帯電話は存在していましたが、スマートフォンの普及が自撮りやVine(*)、ビデオ通話といった映像文化を生み出したことは見逃せません。<親指をあつめる>は、こうした親指だけで全てが完結するコミュニケーションと映像を、参加者と佐藤・原口との間で分解し、作り替えたものです。別の言い方をすれば、私たちのLINE でのやりとりを参加者の送信履歴で読み替え、それを元に「自撮り」した映像を再撮影し、Vine のような短い動画(=サムネイル)を繋ぎあわせたとも言えるでしょう。私たちの生活を便利にしたスマートフォンですが、しかし本作の元となったワークショップは、コミュニケーションへの疑問から出発しています。それは、相手にきちんとメッセージが伝わっているのかどうか、という素朴な疑問です。素朴な疑問ですが、泣き声からスタンプに至るまで、私たちはずっと付き合い続けています。咥えていた親指のことを思い出しながら、ご覧いただけると幸いです。

*Vine(ヴァイン):6秒間ループ再生のビデオクリップ共有サービス。2012年6月設立。2017年1月17日をもってサービス終了。