家庭踊の踊り方
HDビデオ、2分2秒、2024年
「家庭踊」は 1920 年代に田中正平によって考案され、田辺八重子・尚雄が普及に努めた舞踊である。家族間で「良き趣味」を共有し、一体感の向上を目的としたこの踊りは、楽器のほかに当時の最新機器である蓄音機を用いることも推奨された。その振り付けは他者との身体的接 触を伴わず、1 人でも踊ることができる簡易的なものであった。
本作は、家庭踊の指南本である田辺八重子『家庭踊の踊り方(文化生活研究会、1924 年)を参照し、 佐藤と原口が暮らす家で制作したコマ撮りアニメーションである。楽曲は、地方色の強い『木曽節』を田辺曰く「上品に」翻案した『春の彌生』 を使用している。
近代の日本でつくられた「家庭」という空間は、現在においても様々なかたちで人びとの間で共有されている。理想的な「家庭」のレクリエーションであった家庭踊を、自分たちのプライベー トな空間で、その規範への疑いや抵抗を交えながら自らの手で遊ぶ試みである。




