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会期:2019.11.2-11.24
会場:京都府京都市 ANEWAL Gallery 現代美術製作所

1.周りの人
(8 チャンネルビデオインスタレーション/ HD ビデオ/ 2019 年)

8月の頭に現代美術製作所で滞在していた際、「あいちトリエンナーレ」のオープンをSNS で眺めていた。本作はスマートフォンの向きによって回転する画面から着想を得ている。二本の手と、この場所
で目についたモチーフ。振り回されているようにも、変わらないため、変えられないために守っているようにも見える。(佐藤)

くるくると回る映像は、スマートフォンを傾けた際に映像も回転する動きから着想した。2人の手は映像の回転によって振り回されているように見えるが、触れているものは変わらずに中心にあるーー変化が起こらないよう、力を働かせているのかもしれない。映像内では、現代美術製作所周辺にあるものを使用した。(原口)

2.昼が白いテーブルクロスのように広がった 
(ポリエステル生地に消化捺染プリント/ 180.0×180.0cm / 2019 年)

たまたま同じ本棚に収まっている本と本。その中の一節を2人それぞれ引用して繋げ、私たちが囲む机をテーブルクロスで覆った。その場所に偶然居合わせ、会話すること。本作タイトルの引用元は、シュルレアリスム宣言でも引用されているピエール・ルヴェルディ。この詩人は1918(大正7)年12 月発行の『ダダ3』にも寄稿している。
(佐藤)

現代美術製作所の本棚から2人がそれぞれ本を選び、カットアップして新たなテクストを作成し、テーブルクロスとなるよう布に印刷した。異なる文脈をもつテクストを接続することは、意図が伝わら
ないようで伝わってしまう、日頃の会話のようでもある。テクストの配置は、2人で正方形の紙に描いたドローイングの線が元になっている。(原口)

3.シェヘラザードのビデオレター
(4 チャンネルビデオインスタレーション/ HD ビデオ/ 35 分/ 2018 年~)

寝る前にスマートフォンを見ることが習慣化している。そのスマートフォンに、眠る前に物語を吹き込み、相手に送信して複数の物語をつくった作品。物語は、その日の私的な出来事やニュースが自ずと反映されている。谷川俊太郎+寺山修司『ビデオレター』を下敷きに、『千夜一夜物語』のストーリーテラー、シェヘラザードのことを考えた。(佐藤)

「お伽噺」とは、退屈な時に話し相手になることを意味する「伽」を有する言葉であり、時代を超えて、不特定多数の作者によって紡がれた物語を指す。本作では、ビデオ・メッセージとして物語を送り合い、2 人で1 つの物語を作り続けている。その日あった出来事を元にした話が、スマートフォンやメッセージ・アプリを通して、自分の手を離れた「お伽噺」となってゆく。(原口)

主催:現代美術製作所 Contemporary Art Factory
協力:NPO ANEWAL Gallery、金子千裕
広報物デザイン:倉有希
記録写真:松尾宇人